日本との違いが気になって調べてみました
最近、日本で「救急車を有料にすべきか、無料のままか」という議論をよく目にしますよね。それをきっかけに、「ではカナダはどうなっているんだろう?」と気になって、実際に調べてみました。
カナダに住んでいると、医療費の多くは無料ですが、救急車は別扱い。
しかも、州や準州ごとに料金やルールがまったく違うようです。
カナダの救急車を呼ぶ前に知っておきたいこと(注意事項)
カナダでは救急車の利用料金は居住地や保険の有無によって異なります。同じ国でも、住んでいる場所によって「無料」「有料」「部分負担」とさまざまです。
また、呼んだ理由が医療的に緊急と判断されるかどうかで費用が変わるケースもあります。観光客や短期滞在で、カナダの公的医療保険に未加入の場合は特に注意が必要です。
州・準州別の救急車費用まとめ(2025年時点)
カナダでは10の州と3つの準州ごとに料金体系が異なります。
主なエリアの例を挙げると、
アルバータ州
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州居住者:$385(病院に搬送された場合)$250(搬送されなかった場合)
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非居住者:上記の料金に上乗せ一律 $200
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高齢者や社会扶助受給者は免除あり
ブリティッシュ・コロンビア州
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州居住者(MSP保持者):$80(病院に搬送された場合)$50(搬送されなかった場合)
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非居住者:$848 (地上サービス)医療ヘリは高額
マニトバ州
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州居住者:$250
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非居住者:$1,000以上(病院に搬送された場合)$414(搬送されなかった場合)
ニュー・ブランズウィック州
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州居住者:$130.60
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非居住者:$650
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高齢者や社会扶助受給者は免除あり
ニューファンドランド&ラブラドール州
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州居住者(MCP保持者):$115
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非居住者:$240 + $1.84/km
ノバスコシア州
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州居住者(ヘルスカード保持者):$146.55
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ノバスコシア州以外に住んでいるカナダ市民:$732.95
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非カナダ市民および新しくカナダに移住した人:$1,099.35
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低所得者向けの補助制度あり
オンタリオ州
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州居住者:$45(OHIP保持者)$240(OHIPに非加入)
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非居住者:$240
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条件により補助あり
プリンス・エドワード・アイランド州
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居住者:$150
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非居住者:$600
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低所得者向け補助あり
- 州外に搬送される場合は別料金
ケベック州
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カナダ居住者:$125 + $1.75/km
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非居住者:$400 + $1.75/km
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同乗者1人につき$35
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条件により補助あり
サスカチュワン州
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州居住者:$245〜$325
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非居住者:$360
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高齢者や低所得者向け補助あり
ノースウェスト準州
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イエローナイフ居住者:$325
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ノースウェスト準州居住者:$500
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非居住者:$575
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その他にも色々なチャージあり
ヌナブト準州
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料金不明
ユーコン準州
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居住者:無料という情報もあり
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非住民:不明
勤務先の保険・個人保険でカバーされる場合も
カナダでは、州の公的医療保険(例:アルバータ州のAHCIP、オンタリオ州のOHIP)では救急車費用が全額カバーされないことが一般的です。
しかし、個人保険で自己負担を抑えられることがあります。
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勤務先を通じて加入しているグループ保険(Employee Benefits)
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自分で契約している個人医療保険
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クレジットカード付帯保険や旅行保険
保険内容によっては、救急車の自己負担分を全額または一部補償してくれる場合があります。特にワーホリ・留学生は、渡航前に加入している保険の救急搬送(ambulance transport)の項目を必ずチェックしておきましょう。
カナダでは救急車=無料ではない
カナダでは、医療は基本的に無料ですが救急車は別。
日本のように税金で賄われているというわけではありません。
もしものときに慌てないためにも、
- 住んでいる州のルールを確認
- 保険内容を把握
- 海外旅行保険の範囲をチェック
をしておくのがおすすめです。
感想
カナダでは、救急車を呼ぶときに「これは本当に必要か?」と一度考える必要があります。
日本では救急車が無料で呼べるのが当たり前ですが、カナダのように代金が発生するとなると、人によっては呼ぶハードルが高くなりますよね。
個人的には、命に関わるときは誰でも迷わず助けを呼べる仕組みが理想だと思います。
でも一方で、本当に緊急の人がすぐに助けを受けられる環境を守るために、ある程度の自己負担が必要という意見にも賛成です。

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