カナダの歯科保険事情:実体験からわかったことと最新制度のリアル
こんにちは。私は現在カナダに住み、夫の職場の健康保険に加入して歯科治療を受けています。
今回は、実際に私が経験した歯科治療の費用や保険の利用方法、そして最近話題のカナダ政府の新しい歯科補助制度「カナダデンタルケアプラン(CDCP)」について、実体験と最新情報をお伝えします。
初めての歯科医院受診で350ドル!
カナダに来て初めて歯医者に行ったとき、パノラマレントゲンと診察だけで保険適応前の値段は約350ドル。
日本の感覚では「診察だけでそんなに?」と驚くかもしれませんが、カナダの国民医療保険には歯科治療が含まれていないため、とても高額になることがあります。
幸い、私は夫の職場の健康保険に加入しており、自己負担は抑えられ安心して治療を進められました。
虫歯治療は1本で235ドル。見積もりを確認して安心
歯間にできた虫歯の治療は1本235ドルでした。保険適用前の金額です。
歯科医院では、受付で保険会社に治療の見積もりを出してもらうことができるので、自己負担額の目安が事前にわかります。私の場合、実際の支払いが見積もりより安くなることはあっても、高くなることは今のところありません。
クラウンは1本約1,600ドル。保険で半額の800ドルに
奥歯のクラウン(セラミックの被せ物)の治療は1本あたり約1,600ドルかかる見積もりでした。
私の保険では50%カバーされることになっているため、自己負担は約800ドルになります。
歯科医院によって値段は変わってくると思いますが、これに関しては日本とコストはあまり変わらないのではと思います。
歯石除去は250ドル、フルクリーニングは350ドル程度
先日歯石除去(スケーリング)に行った際は、保険適用前の金額が約250ドルでした。
歯石除去、ポリッシュ、フッ素のフルクリーニングを受けた際は保険適応前の金額が約350ドルでした。
もし保険がなかったら躊躇してしまう金額です。
カナダデンタルケアプラン(CDCP)の対象が全世代に拡大
最近話題のカナダデンタルケアプラン(CDCP)は歯科補助制度で、前年の税金を納めていて、年収$90,000以下の世帯を対象としている背連邦政府のプログラムです。CDCPに参加している歯科医院でのみ利用することができます。
今までは高齢者、子供、障害者が対象でしたが、2025年の5月から対象が拡大しました。
ただし、すでに民間の歯科保険に加入している場合は対象外となります。私たちは夫の職場の保険に加入しているため、CDCPの恩恵は受けられません。
さらに、会社の保険では歯科保険だけを外すことができず、他のベネフィットが付いている健康保険にセットで入る形になっています。こうした理由から、低所得世帯であってもCDCPの対象外となる家庭も多いのが現実です。
CDCPのカバー率は世帯年収によって変わる
カバー率は、世帯年収によって変動します。以下は2025年現在の例です。
世帯年収(調整後) | カバー率 | 自己負担率 |
---|---|---|
$70,000未満 | 100% | 0% |
$70,000〜$79,999 | 60% | 40% |
$80,000〜$89,999 | 40% | 60% |
CDCPのカバー率は、CDCPが定めた料金を基準に計算されますが、実際の歯科医院の治療費がこれを超える場合、その差額は患者が直接負担します。
カナダで歯科治療を受ける際のポイント
-
治療前に必ず見積もりを取ること
多くの歯科医院では、保険会社を通じて事前に見積もりを出してくれます。
自己負担額を把握してから治療を受けることが安心のカギです。 -
勤務先の保険に「歯科保険」が含まれているかチェック
カナダでは雇用先によって、歯科が含まれる/含まれない保険プランがあります。
まずは勤務先の福利厚生(ベネフィット)を確認しましょう。 -
勤務先などの民間保険に加入している場合、CDCPの対象外になる
CDCPは「他の歯科保険に未加入であること」が条件。
会社の保険に入っている場合はCDCPのカバーを受けられないので要注意です。 -
民間保険の歯科保険だけを抜くことができないケースもある
特に勤務先で入る保険では、健康保険と歯科保険がセットで強制加入になることが多いです。
この場合、自分でCDCPに切り替えることはできません。 -
カナダの歯科治療費は高額になりやすい
クリーニング、虫歯治療1本で数百ドルも珍しくありません。
保険のカバー率・年間上限・自己負担額を必ず確認しましょう。
まとめ
カナダの歯科治療費は高額ですが、保険制度を理解し活用すれば自己負担を大きく減らすことが可能です。
私自身の経験からも、見積もり制度があることや、治療前の費用確認が精神的にとても助かっています。
また、CDCPなどの政府補助制度は助かりますが、条件が限定的であることで不公平だという声も上がっているのも事実です。しかし将来、もし働けなくなった時や、会社の健康保険から外れ年金生活となる時には、大きな助けになる制度だと思います。
これからカナダで歯科治療を受ける方の参考になれば嬉しいです!
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